今後のライブについて

今日まで、ずっと考えてました。

僕らのバンドは、今日から配信以外のライブを中止することにしました。

正確にいうと、それでも世界が続くならと僕のソロは配信以外でライブを行うことは暫くありません。
2月頃からの各地のイベント中止に始まり、オリンピックの延期、著名人の感染や訃報、店舗の営業自粛、にも関わらず感染は広がり続け、新型コロナの影響は世界規模で、文字通り日に日に悪くなっています。

店を閉めた個人経営の人、莫大な借金を背負った人、仕事を失った人、そういう経済的に生きていけない状況に追い込まれた人や、家族や友人が感染して会えなくなった人、仕事に行けなくなった人、高齢の家族がいるから家を出なくなった人達、家に篭りっきりになった人、そんな感染の拡大に生活を奪われた人達もいます。

僕達も、「コロナに罹る前にお金や生活苦で自殺する人が出る」という考え方でした。僕らは目先のお金儲けよりも音楽の本質にこだわってきたつもりです。弊害ではあるけど、生きていくことの難しさやリアルは人並みには感じてきたと思っています。

東京、名古屋、大阪、各地のキャンセルになった日を使って、人数制限をしながら、ライブハウスの救済ワンマンもやりました。
集まった募金をライブハウスに入れて「家賃払える、ありがとう」と言われた時に、3月中旬まではこれでいいんだと思っていました。

そのライブが落ち着いて、3月後半に有料配信をやってみることにしました。
単純に大きなバンドの無料配信が増えて、それを真似る人達が増えていって、このままじゃいつか音楽の文化が死んでしまう気がしたからです。

有料配信をしながら、どこかで安心している僕がいました。ツアーもしない、誘われなきゃライブもまともにしない、メンバーで温泉に行くだけの、インドアで消極的な僕のライブバンドだから思ったことかもしれません。

例えば、もしも君が僕達を信じてライブに来てくれて、「会場で」じゃなくても、ライブに来る途中にコロナに感染したら。
君はたぶん、君の大切な人には当分会えない、経済どうとか以前に、仕事にも行けなくなる。幸い僕の知人には発症してる人はいない。
でも、もしも君がそうなったら、僕はたぶん、音楽なんかやるんじゃなかったって思ってしまうと思う。

公演がキャンセルになるのを待って人に委ねる方法もある、誰のせいでもないって考え方もある、僕も経済的に苦しい時の苦しさの方がリアルだし、ライブハウスの売り上げは8割減、スタッフも給料はないも同然になった人もいる、「ライブやめても結局バイトとか行くじゃん」って考え方もあると思う。

でも、もしかしたらそれって、僕らはどこかで感染してもいいと思ってるのかもしれない、
もっと言えば「自分は感染してない」って思ってるかもしれない。
でも僕は、感染してる人が広めてるとは思えなくて、感染してないって思ってる人が無意識に広めてしまうんだと思う。

僕は、感染を広めたくないなら、自分が感染してるかもしれないって思って行動するべきなんじゃないかと思いました。
とは言っても、してないと思う、みんな体温測っても大丈夫。
でも、検査しないと絶対って言い切れない。

なにより、やっぱりライブって、僕だけでやるものじゃないと僕は思う。
僕の音楽は奉仕ではない、誰かの為じゃなく、自分の為に、君に歌うべきだと思ってきた。
僕は自分のことより他人のことが気になるおせっかいな人間で、「誰かの為に」は「いつか誰かのせいにすること」だと思って、勝手に、君に歌ってきた。

だから、僕らは、君の為にとは言わず、
「僕達が誰かを感染させたら嫌だから」、
勝手にライブを中止しようと思います。

僕は音楽を勝手にやりました。
僕が勝手に始めたことです。
君やコロナのせいにもしません。

インドアな僕達は勝手にライブを止めます。
決まってるライブは配信ならやります。
君はなにも気にしなくていい。
たくさんいるどっかのバンドがライブ止めた、それだけです。

君は元気だろうか。
君には暫く会えないから、もう僕にはわからないけど、でももう一回くらい、いつかどこかでまた会えたら、なんて思ってしまう。

また死にたいと思ったりしてるかな、
人間はまだ怖いかい、優しい人はいるかい、
君に「元気で」なんて、言いにくいね、
でも僕は君ともう一回、また会いたいから、
僕はもう少しだけ、どっかで歌ってようと思う。

どうか、元気で。

篠塚将行/それでも世界が続くなら