それでも世界が続くなら活動中止についての手紙


こんばんわ。いきなりこんな話でごめん。
僕らのバンドは9月2日で活動を中止することにしました。

きっかけは、ノリオが「燃え尽きた」と言って脱退を申し出たことで、「それなら、脱退するんじゃなくて一回休んでから考えてもいいんじゃないか」という案が出て、みんなで休んでみることにしました。

それでも世界が続くならというバンドは、ずっと「すぐ燃え尽きて解散しそう」と言われてきました。そう言ってもらえるライブをしてることが、僕らの誇りでもあったし、同時に「そんなふざけた予想通りになってやるもんか」と思う子供じみた意地が原動力にもなりました。
僕らは、4人でやれる可能性がほんの少しでもあるなら、活動を中止してノリオを待ってみようかな、と思っています。

ちなみにこの話は、ほぼ誰にも言いませんでした。色々ショックだって言う人、いるならありがとう。それと相変わらずの俺らでごめん。
どうしても、ファンも関係者も垣根なく、同じタイミングで言いたかったっていう俺のエゴとキャパの無さを許してほしい。

僕らは、今まで鍵盤やバイオリンの音が入れたくなったらスガサワのギターで再現しようとしたし、レコーディングにもライブにもサポートメンバーは入れずに4人だけで演奏することに、4人バンドの可能性の限界に、なにより、この千葉の近所の友達4人で活動することにこだわってきました。もし休んでみてもノリオの気持ちが変わらず、このまま脱退するなら、解散になるか、3人で続けるか、全部未定です。これについては、今は考える気がありません。
だって戻ってきたら問題ないわけで、考え出したらなにしても「ノリオが戻ってこなかった場合」って発想にしかならないし、考えないことが大事な気がしています。


まあ運命なんてもんは歌の文句でしかなくて、希望的観測もネガティブな思考もどっちも結局妄想みたいなもんで、誰のどんな未来も、そりゃ未定なんですけどね。事故でも何でもどうせ終わるときは終わるし、永遠なんてあるはずもなくて、ネガティヴでもポジティヴでもなく、ただ全てのことがいつか終わってあたり前、それでも、それでもこの4人でやりたいなら、無理でもなんでもやりたきゃ抵抗したらいいじゃん、ただその抵抗の選択肢が「活動の中止」だったと思ってもらえたら。

本気で音楽やるのは楽じゃなかったけど、幸い僕らのバンドは大きなケンカもあんまりなく、4人でゲームやったり、4人でファンレターに本気で泣いたり、体調も生活も削って音楽作って、本気で君ともライブして、青春っていうか、振り返ればどれも美しかったし。


なんかさ、当たり前の日常が、終わればなんでも美しく見える、なんて当たり前のこと、なんで僕らは、終わりが見えないと大切なものに気がつかないんすかね。何度も同じこと繰り返してさ。いい加減気づけよ俺っていうね。

でも俺は思うんです、君にとってどっかの誰かの俺のバンドの話は気にしなくていい。
できれば君はこんなことで悲しまないで欲しい。君は誰のことも気にすんな。君は君のことをもっと考えて生きていい。
例えば、君が「自分なんか」ってまだ今日も思っている、そう思うのは止めない、思っていい。君が何をどう感じて何を思うか、その君の痛みは君のもんだ。
でも忘れないでほしい、俺がいつもステージから見る客席は、君の言葉は、君が迷って足掻いて血吐いて今日まで生きてきたことは、どんなバンドなんかよりずっとかっこよかったし、ライブしてんなって俺が思ってたこと。
俺は君に悲しがってもらいたいなんて全然思ってない。
だって音楽って人間の為にあるもんじゃん。だったら人間より大切な音楽なんかない。
だから音楽の話するなら、その前に人間の、俺や君の話がしたい。聴いてくれる君にとって俺の音楽なんておまけでいいと俺は思う。

俺はずっと、俺や聞いてくれた君の人生がマシになることだけ考えて音楽やってたよ。
ずっと怒ってたし。ずっと喧嘩してた。
君は今、元気かい。元気ならいい。
そうじゃないなら、そうね、俺には君の痛みは消してあげられそうにないから、
じゃあ一緒に音楽でも、っていうかさ、次はお前がやればいいんじゃないの?お前がライブしたらいいじゃん。
音楽じゃなくても、やりなよ。やりたかったこと、いいたかったこと。

否定されて笑われて考えるのもやめたそれ、まだそこにあるなら、教えてよ。
君がしたかったこと。君が諦めたこと。
ごめん、長いし話それまくったね。

たぶん僕らは、何も決めずに活動を止めたら、なんか2度と戻ってこない気がするので、一個だけ約束します。
2019年の2月11日に、ノリオがどうするのか、今後僕らがどうするか、報告しようと思います。

それと、6月にベストアルバム、8月にアルバムをリリースします。
僕ららしく、燃え尽きるなら燃え尽きるまでやってみます。

こんな俺らの音楽を聴いてくれたみんな、好き勝手に迷惑かけてばっかだった関係者の皆さん、心配かけてたらごめん。
この話の続きは、その日まで待ってて。

今は、9月まで、後先考えず音楽やらせてください。
消費されない音楽と、発表会じゃなくてライブをやらせてください。
俺らには、まだ果たさなきゃいけない約束と、やり残したことがあるんです。

篠塚将行/それでも世界が続くなら